質量顕微鏡法を用いた解析

◆ 質量顕微鏡法による共同研究募集中 ◆

・レーザーを10μm以下に集光できるため、微小な領域の質量分析や高解像度質量分析イメージを得ることができます。また、高性能試料位置決め機構により、 光学顕微鏡像で観察した同じ位置を正確に質量分析することが可能です。
・大気圧イオン化法を採用しているため、試料を真空下におく必要がありません。Wetなサンプルや揮発性の高いサンプルの分析が可能になります。
・高分解能/高精度なMSn機能が詳細、正確な構造推定を強力に支援します。
・対物レンズ40倍の高性能生物顕微鏡を搭載し、高い解像度で試料観察ができます。

 質量顕微鏡はMALDIによる質量分析装置を二次元化して分子イメージングを行い、疾患の診断や薬剤安全性の分析に供するための画像とする装置です。 質量顕微鏡法はノーベル賞を受賞した田中光一氏らの島津製作所がその発展型として発明開発した方法であり、Nature誌で紹介された世界最先端のイノベーションと言えます。

 これまでの通常の顕微鏡は物質同定のためには蛋白質であれば抗体を用いた免疫組織化学、mRNAであればin situ hybridizationという手法で間接検出を行っていました。 これらの手法では一度に一つ、多くても数種類のものしか観察できない上、基本的に既知のものしか観察できません。これら従来の方法とは異なり、質量顕微鏡は質量で観察するため、 原理的には重さのあるものすべてが同時に観察されます。そのため、蛋白質、DNA、RNA、脂質、糖鎖、糖脂質、あらゆるものの分布が同時に同定観察可能となります。

 また、質量顕微鏡法は、光学顕微鏡で試料を高解像度で観察し、その場で注目した個所を迅速に質量分析することができることから、生体組織を顕微鏡で観察し、 見つかった病変部位や特異個所を選択して質量分析をすることができます。
10μmという細胞サイズに匹敵する高空間分解能、さらに高分解能/高精度MSn分析がもたらす詳細、正確な構造解析は生体機構の解明に有効です。 質量顕微鏡を用いることで、特にこれまで局在の検出が困難であった脂質や糖脂質の分布や動態について観察解析できるなど、従来不可能であったものが解析可能となると期待されます。 さらには、新しいバイオマーカー探索、疾患の診断へのトランスレーショナル研究や創薬開発につながる可能性があります。

 質量分析顕微鏡関連手順書(圧縮ZIPフォルダ) ...


◆ 質量顕微鏡共同研究にあたってのご案内 ◆

 はじめに
 質量顕微鏡はMALDIによる質量分析情報を二次元化して分子イメージングを行い、疾患の診断や薬剤安全性の分析に供するための画像とする装置です。
従来の標識を用いたイメージング方法とは異なり、質量顕微鏡は質量で観察するため、原理的には重さのあるものを複数同時に観察することができます。
 質量顕微鏡を用いることで、特にこれまで局在の検出が困難であった脂質や低分子代謝物の分布や動態など、従来不可能であったものが現在解析可能となりつつあります。 さらには、新しいバイオマーカー探索、疾患の診断へのトランスレーショナル研究や創薬開発につながる可能性があります。
 病理検体、手術標本や生検サンプルなどの解析に質量顕微鏡をご活用いただき、基礎のみならず臨床分野においても研究の発展に貢献できることを期待しております。

 必要書類・手続き
装置利用のため次の書類をメール添付で医化学講座までご提出下さい。
ヒトサンプルを扱う場合の多くは倫理申請が必要です。
サンプル申込書(必須) ...
倫理審査申請書・患者同意書(必要な場合) ...
  
 その他
倫理審査は通常は3ヶ月以上、迅速審査でも約2週間かかります。早めのご準備をお願いいたします。
研究の内容により、浜松医大訪問研究員の手続きをお願いする場合があります。

 お問い合わせ・書類提出先
関西医科大学医化学講座 矢尾育子
メール:yaoik@hirakata.kmu.ac.jp
電話:072-804-2340 内線2340